【遊戯王】破壊と無効の違いを解説! 初心者が間違えやすいルール

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私の場にはブルーアイズが3体! この総攻撃が通れば私の勝ちだ!

(相手の場には伏せカードが1枚……おそらくあれはミラーフォースのような逆転のカード!)

ブルーアイズ3体で攻撃!

そうはさせないぜ! トラップ発動! 《聖なるバリア -ミラーフォース-》!

相手の攻撃表示のモンスター全てを破壊します!

そんな反撃は読めているわぁ! チェーンして《サイクロン》発動!

ミラーフォースを破壊する!

くっ、私のミラーフォースが破壊された!

ではチェーン1でミラーフォースの効果によりブルーアイズ3体を破壊させてもらいますね。

えええぇぇぇサイクロンでミラフォ破壊したのに破壊されるのぉおおおおお!!??

はい、私のターン。死者蘇生でブルーアイズを蘇生させてダイレクトアタックで私の勝ちです。

楽しいデュエルだったね☆

た、楽しい……デュエル……。

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なんで破壊しても効果は止まらないの?

ねえサヤ。なんでミラフォをサイクロンでチェーンして破壊したのに、ミラフォの効果は止まらなかったの?

初心者にありがちなミスですね。一度発動したカードを破壊しても、発動した効果は止まらないんですよ。

チェーン2のサイクロンにより、ミラーフォースは破壊されて墓地に送られましたが、ミラーフォースの効果はすでに発動しているので、チェーン1での効果解決できちんと効果処理されます。つまり、アカリちゃんのサイクロンは完全に無駄撃ちだったということですね。

え~、なんか遊戯王の漫画では、魔法とか罠を発動されたときに破壊して止めてたような気がするんだけどなあ。

はい、初代遊戯王の原作では相手の魔法や罠を破壊して止めていることがあったので、漫画やアニメから入った層は非常に勘違いしやすいルールだと思います。

発動した効果を止める場合は、”破壊”ではなく”無効”にする必要があります。大事なルールですので、この二つの違いを説明しますね。

破壊と無効の違い

“破壊”はカードを破壊しているだけであって、効果を無効にはしていません。

破壊するカードの例を挙げると、代表的なのは前述のサイクロン。魔法罠を破壊できる速攻魔法ですね。

速攻魔法
(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

出典:《サイクロン》 -遊戯王カードWiki

他には、相手ターンでも発動できる手札誘発カードの《幽鬼うさぎ》。

チューナー・効果モンスター
星3/光属性/サイキック族/攻 0/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのモンスターの効果が発動した時、
またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、
手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
フィールドのそのカードを破壊する。

出典:《幽鬼うさぎ》 -遊戯王カードWiki

幽鬼うさぎは相手の効果にチェーンして対象のカードを破壊できますが、あくまで破壊しているだけなので、サイクロンと同様効果を無効にすることはできません。

たとえば召喚成功時に墓地のモンスターを蘇生させる《ジャンク・シンクロン》に対して撃った場合は、ジャンクシンクロンは破壊できますが、ジャンクシンクロンの効果で墓地のモンスターは蘇生されます。

チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500
(1):このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

出典:《ジャンク・シンクロン》 -遊戯王カードWiki

対して、”無効”は発動した効果そのものを止めることができます。逆にカードを破壊してはいないので、対象のカード自体は場に残ります。

無効にするカードの例を挙げると、相手ターンに発動できる手札誘発カードの《エフェクト・ヴェーラー》。

チューナー・効果モンスター
星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0
(1):相手メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ送り、
相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

出典:《エフェクト・ヴェーラー》 -遊戯王カードWiki

ジャンクシンクロンの効果発動時にチェーンしてエフェクトヴェーラーの効果を使った場合は、ジャンクシンクロンが発動した効果は無効となり、蘇生効果は適用されません。

しかし無効にしているだけで破壊はしていないため、ジャンクシンクロン自体は場に残ります。

もし、ジャンクシンクロンの効果を無効にした上で、更にジャンクシンクロンも破壊したいという場合は、”無効にし破壊する”というカードを使いましょう。

例を挙げると、カウンター罠の《天罰》。モンスター効果の発動を無効にして破壊することができます。

カウンター罠
手札を1枚捨てて発動する。
効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。

出典:《天罰》 -遊戯王カードWiki

ジャンクシンクロンの効果に対して天罰を発動した場合は、ジャンクシンクロンの効果が無効になるため蘇生効果は使えず、更にジャンクシンクロン自体も破壊されます。

このように、”無効”と”破壊”は処理が別物なので注意です。”無効”にするだけのカードと、”破壊”するだけのカード、”無効と破壊”をするカードの3パターンがあるため、カード毎に効果を理解しておくことが大切です。

遊戯王界隈では、破壊と無効の違いを覚える上でのたとえとして、「拳銃と弾丸」に例えられることがよくあります。

効果の発動というのは、拳銃が弾丸を発射した状況であり、”破壊”は拳銃(カード)を破壊しているだけに過ぎません。拳銃を破壊しても発射された弾丸(効果)は止まらないというわけです。

“無効”は弾丸(効果)そのものを止めている行為で、破壊はしていないので拳銃(カード)は残ります。”無効にして破壊する”は、弾丸を止めた上で拳銃も破壊しているということですね。

例外1:破壊だけでも無効にできるパターン

なお、例外として”破壊”するだけの効果でも、効果を無効(不発)にすることができることもあります。

まず、装備魔法、永続魔法、フィールド魔法、永続罠など。これらの効果はフィールド上に存在する限り有効になるという特徴があるため、発動にチェーンして破壊した場合、フィールド上から存在しなくなっているので効果は適用されなくなります。

他には、《召命の神弓-アポロウーサ》など。このカードは自分の攻撃力を800下げ、相手のモンスター効果を無効にします。

リンク・効果モンスター
リンク4/風属性/天使族/攻 ?
【リンクマーカー:上/左下/下/右下】
トークン以外のカード名が異なるモンスター2体以上
このカードの(3)の効果は同一チェーン上では1度しか発動できない。
(1):「召命の神弓-アポロウーサ」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):このカードの元々の攻撃力は、このカードのリンク素材としたモンスターの数×800になる。
(3):相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。
このカードの攻撃力を800ダウンし、その発動を無効にする。

出典:《召命の神弓-アポロウーサ》 -遊戯王カードWiki

アポロウーサにチェーンして幽鬼うさぎを撃って破壊した場合、アポロウーサの効果解決時にはアポロウーサは墓地にいるため、「自分の攻撃力を800下げる」ということができません。そのため、それ以降の処理も行われず、相手のモンスター効果を止めることができなくなります。

このように、効果解決時にそのモンスターが破壊されていると効果が不発になってしまうようなカードであれば、破壊するだけでも実質無効にできていると言えます。

例外2:無効だけでもカードを墓地に送れるパターン

無効にしただけの場合はカードは場に残ると話しましたが、例外として通常魔法や速攻魔法、儀式魔法、通常罠、カウンター罠の場合は、無効になった後はカードが墓地に送られます。

これらのカードは無効にして破壊するのでも、無効にするだけでも、ほぼ処理に違いはありません。

永続系のカードやフィールド魔法は無効にしても場に残ってしまい、もう一度効果を使われたり次のターンにまた効果を使われたり、ということがあるので、できれば破壊したいカードですね。

まとめ

このように、破壊と無効は処理が別物です。

“破壊”はあくまでそのカードを破壊しているだけで効果は止まらない。

“無効”はそのカードの効果を無効にしているだけで、そのカードは破壊されない。

効果を止めてかつ破壊もしたいなら、”無効にして破壊する”カードを使いましょう。

なるほどなー。たった数文字違うだけで全然処理が異なるんだね。ちゃんとテキスト読み込んでおかないと、自分のカードの効果を勘違いしちゃうね。

そうですね。破壊と無効の勘違いは遊戯王あるあるで、初心者がサイクロンで効果も止められると勘違いするのは「最強サイクロン」としてネタにされてもいるほどです。

まあ解説している私も初心者の頃は普通に間違えてましたし、デュエリストなら誰でも通る道ですよ。一度理解すれば難しい話ではないと思いますので、ここで覚えていきましょうね。それでは、デュエルスタンバイ!