Seed就任パーティ中、キスティスの命令によりスコールは訓練施設内の秘密の場所に2人で向かいます。
そこでキスティスは、サイファーのSeed試験での暴走の責任を問われ、教師をクビになったことを告げました。
指導力不足と言われてしまい、何が悪かったのかとスコールに相談を持ち掛けるキスティス。
ただ話を聞いてくれるだけで良いと言いますが、そこでスコールの放った強烈な返しが、「だったら壁にでも話してろよ」です。
《出典:ファイナルファンタジーⅧ》
主人公とはあるまじき手厳しすぎる一言だよね。
相談されても返す言葉が思い浮かばないからとはいえ……。
スコールの印象が悪くなりかねない台詞ですよね。
でもスコールも単に性格が悪くてこんな返しをしたわけじゃありません。あの発言の真意を考察してみます。
スコールの信条
スコールの信条は、自分のことは自分でなんとかする、というもの。
これはかつて孤児院に住んでいたときに、エルオーネに頼りっきりだったが故、突然エルオーネが失踪して強い悲しみに襲われたことが原因。
誰かに甘えて過ごすのはとても楽で居心地が良いけれども、いつかは一緒にいられなくなってしまう。そうなったときにより辛くなるからこそ、最初から一人でいた方が良い、と考えるようになってしまいました。
自分のことは自分でなんとかする。だから他人もみんな自分でなんとかすればいい、という考え方になっています。自分にも他人にも厳しくしているのです。
相談してきたキスティスに対しても、「俺は他人の荷物は持ちたくない」とバッサリ切り捨てていました。信条として相談することもされることも嫌いなんだと思います。
他人の相談を聞けるほど余裕がなかった
スコールは一見、クールで精神的にも強い人間に見えますが、実際のところ中身はまだ子供です。
本編中でもうじうじと悩んだり、自分の行動に迷いを持つことも多く、常に自分のことで精一杯になっています。
エルオーネの失踪以来、自立しようと背伸びするのに必死なだけ。だからこそ、他人の不安や不満を受け入れられる余裕が彼にはありません。
相談されることが嫌いという以上に、相談されるほどの余裕が自分にないと感じているから、他人の荷物は持ちたくないと考えています。
バラムガーデン内でのマスター派と学園長派での抗争時にも、ノーグを倒した後に状況が掴めないパーティメンバーがスコールにどうなっているのか聞いた際、「なぜ俺に聞くんだ! 分からないのは俺も一緒だ!」と叫んでいました。
元々自分一人でなんとかできるほど強いわけでもないのに、一人でなんとかしようと無理し続けているから、誰かに頼られることが怖くもなっているのだと考えられます。
スコールのストレスがピークに達していた
これはおまけみたいなものですが……。
あの日のスコールってすごく激動な一日を送っているんですよね。
朝からサイファーとの訓練で顔面に傷跡が残るダメージを受けて気絶し、その後イフリートと戦わされ、直後にSeed試験で実戦を行いに。
犬猿の仲のサイファーと行動を共にしたあと、班長指示で命令違反させられ最後は倒しても復活してくる機械に追われながら全力疾走させられます。
そして見知らぬ人とダンスをさせられ、更に教官命令で深夜に呼び出されたと思ったらただ愚痴を聞かされるだけという……。
まぁ、スコールもちょっとむかついちゃってもしょうがない気はしますよね(笑)
FF8はスコールたちの精神的成長が見せ場
スコールに限らず、パーティメンバーはみんなまだ若くて、作中でも失敗や葛藤が多いです。
それが徐々に成長していく過程が描かれていくところが、FF8の面白いところでもあるんですよね。
スコールが過去のトラウマにより、自分の殻に閉じこもっているときのシーンだからね。
決してスコールの性格が悪いってことを表す発言ではなく、彼の心情を図る重要な台詞であると思うよ。